恋をしていると、
世界の輪郭が、ほんの少しだけ変わる気がします。
劇的な出来事が起きるわけでも、
毎日がキラキラし出すわけでもない。
それでも、
同じ景色が、少しやさしく見える瞬間が増えていきます。
このエッセイでは、
恋があることで生まれる、
ささやかな変化について書いてみたいと思います。
朝の空気が、少し違って感じる
恋をしている朝は、
目覚ましの音が、少しだけ鋭くなくなります。
「今日も一日が始まる」という事実は変わらないのに、
心のどこかに、やわらかい余白がある。
昨日交わした言葉を思い出したり、
次に会える日を、ぼんやり考えたり。
特別な予定がなくても、朝が少し穏やかになるのは、
恋が心の奥で、静かに息をしているからなのかもしれません。
ひとりの時間が、孤独になりすぎない
恋をしていない頃のひとり時間は、
ときどき、静かすぎて不安になることがありました。
テレビをつけても、
スマホを眺めても、
なぜか落ち着かない。
でも恋があると、
ひとりで過ごす時間にも、違う温度が生まれます。
- この時間のあとに、会えるかもしれない
- 今、相手も別の場所で過ごしている
- 同じ一日を、それぞれ生きている
ひとりだけど、完全にひとりじゃない。
その感覚が、夜を少しだけやさしくします。
自分の感情に、前より気づけるようになる
恋をすると、
自分の気持ちが、意外と忙しいことに気づきます。
嬉しい。
不安。
会いたい。
少し距離を置きたい。
相反する感情が、
同時に存在していることも珍しくありません。
以前なら見過ごしていた小さな感情に、
立ち止まるようになります。
恋は、自分の内側をよく見せてくれる存在なのかもしれません。
世界がやわらかくなる瞬間
道端の花に、少し長く目が止まったり。
夕焼けの色を、誰かに伝えたくなったり。
それは決して、
恋愛ドラマのような大きな変化ではありません。
でも、
世界の角が少し丸くなったような、
そんな感覚があります。
世界は変わっていないのに、受け取り方が変わる。
恋があることで、
日常の中の硬さが、少しずつほどけていくのだと思います。
体験談:何でもない日が、嫌いじゃなくなった
体験談
特別な出来事があるわけでもなく、
仕事と家の往復だけの日。
以前は、そんな日が少し苦手でした。
でも恋をしてから、
「今日は何もなかったな」と思う日も、
どこか悪くないと思えるようになりました。
何もない日を受け止められる余裕が、
心に生まれた気がします。
恋がなくても、無理に否定しなくていい
ここまで書いてきましたが、
恋がない日常がダメだと言いたいわけではありません。
恋がないからこそ、
静かで、自由で、整っている時間もあります。
ただ、恋があるとき、
世界が少しやわらかく感じられる。
それは確かだと思います。
無理に探さなくてもいい。
焦って手に入れなくてもいい。
でももし、
誰かを想う気持ちが心に芽生えたなら、
その変化を、そっと味わってみてください。
おわりに
恋がある日常は、
人生を大きく変えるわけではありません。
ただ、
同じ世界を、少しやさしい目で見られるようになる。
それだけで、毎日は十分変わるのだと思います。
今日の空気が、
ほんの少しやわらかく感じられたなら、
それはきっと、
恋が、静かにそばにある証拠なのかもしれません。